「ケシの花公開と絶滅危惧種」都立薬用植物園/5月/2010年

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東京都立薬用植物園では研究のため都内で唯一「ケシの花」の栽培を許可された施設です。「あへん法による栽培禁止の啓蒙活動」として年に1回開花の時期に公開されたり講座が開かれたりします。16日に行われた「ケシの花ミニ講座」に参加できましたので絶滅危惧種の情報と併せてレポートします。




                ケシの花・公開               
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ケシは癌の痛みを緩和するモルヒネの原料となる医薬用途のための植物です。ただ主成分アヘンロイドが悪用されると麻薬になるため栽培が制限される植物になっています。
薬用植物園には研究のため電線で防御した柵が設けられた区域で栽培しています。行った日にも医大生の研修が行われていました。ちなみにここで実ったケシは医大生が実習の一環としてアヘンロイドを採取して国が買い上げることになっているそうです。


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                   【一貫種】
       この品種は昭和初期に日本で改良されたもので主成分が
       多く採取できる品種だそうです。
  
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                   【アツミゲシ】
        愛知県の渥美半島で帰化しているのが確認されたため
        「アツミゲシ」の名前が付いています。


       ここからは海外では園芸用に栽培が行われているものですが
       やはりアヘンロイドは含まれるため日本国内では栽培禁止と
       なっている品種です。 
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                  【赤八重】
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                  【紫八重】


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       ケシは一個の実の中に3000個の種が含まれている上に生
       命力が旺盛なため「アツミゲシ」のように野生化することもあり
       ます。
       東京都内で発見された場合には都立薬用植物園がシングル
       ウインドウで処分することになっていて埋めたてをします。
       当然、土には種が含まれていますから一切の土もこのエリア
       からは出さないように管理されているそうです。



       同じケシでも栽培可能な品種には次のような特徴があります。      
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            【OK=葉の切れ込みが大きい】
        栽培可能な品種は写真のように切れ込みが大きい
       葉を付けていて茎から離れて広がっています。
       一方「栽培禁止品種」には次のような特徴があります。
       切れ込みが無く丸めです。
       葉が茎を包むように付いています。
       

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             【蕾・茎・実にもトゲが一杯】
            栽培可能品種 ⇒トゲが一杯付いています。
            栽培禁止品種 ⇒トゲが無くツルンとしています。


                    《栽培品種》 
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                   【ナガミヒナゲシ】
         歩道脇の小公園などに見られます。朝咲いて夕方には咲き
         終わってしまう一日花です。

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                 【モンツキヒナゲシ】

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                 【オリエンタルポピー】
         かなり大型の花を構え、鮮やかな朱色と相まってダイナ
         ミックなすがたを見せる花です。

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                  【ハナビシソウ】
         家紋の花菱に似ているからこの名前なのでしょうか?




                絶滅危惧種
都立薬用植物園は約70種の絶滅危惧種の保護育成を手がけている貴重な施設です。他の絶滅危惧種や目にするのが稀な植物を集めてみました。

       絶滅のおそれのある種の定義
         「絶滅危惧I類(CR+EN)」
           絶滅の危機に瀕している種
          ①「絶滅危惧IA類(CR)
           ごく近い将来における絶滅の危険性が極めて高い種
          ②「絶滅危惧IB類(EN)
           IA類ほどではないが近い将来における絶滅の危険性
           が高い種
         「絶滅危惧II類(VU)」
           絶滅の危険が増大している種
       (出典;環境省・絶滅危惧種情報
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            【絶滅危惧IB類(EN)・ムラサキ】
       【学名】Lithospermum officinale ssp. erythrorhizon
       【科名】ムラサキ科
       【生態】丘陵の草地などに生える多年草。茎は高さ40-70cm
          根は太く、染料に用いられる。葉は無柄で長さ3-7cm。
          花は6-7月に開き、白色で径約4mm。
                      (出典;環境省・絶滅危惧種情報)


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            【絶滅危惧II類(VU)・ヒトツバタゴ】
         【学名】Chionanthus retusus
         【科名】モクセイ科
         【生態】高さ30m、径70cmにも達する落葉高木。雌雄異株。
             円錐花序は新枝に頂生し、柄がなく、長さ7-12cm。
             花は白色で5月に開き、花冠は4裂し、裂片は線状
             倒披針形で長さ1.5-2cm。
        【現存(生育)する地域】
        (長野県)南木曽町,山口村,坂下町 (岐阜県)中津川市,恵那市
             福岡町,蛭川村
        (愛知県)一宮市,春日井市,犬山市,江南市,小牧市,岩倉市,
             多治見市,名古屋市,瀬戸市,可児市,御嵩町,豊山町
             師勝町,西春町,大口町
        (長崎県)上県町,上対馬町
                      (出典;環境省・絶滅危惧種情報)


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            【絶滅危惧II類(VU)・タガソデソウ】
         【学名】Cerastium pauciflorum var. amurense
         【科名】ナデシコ科
         【生態】山地に生える多年草。茎は直立し、高さ30-50cm。
             花期は5-6月。頂生する集散花序はややまばらで
             十数個の花をつけることもある。花弁は白色、長楕
             円状へら形、全縁、長さ約15mm。
                      (出典;環境省・絶滅危惧種情報)


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            【絶滅危惧II類(VU)・キンラン】
         【学名】Cephalanthera falcata
         【科名】ラン科
         【生態】山や丘陵地の疎林下に生える地生ラン。茎は直立し
             て高さ30-70cm。4-6月、黄色の花を3-12個つける。
                      (出典;環境省・絶滅危惧種情報)


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            【絶滅危惧II類(VU)・エビネ】
         【学名】Calanthe discolor
         【科名】ラン科
         【生態】雑木林の下などに生える地生ラン。葉は2-3個つく。
             花茎は高さ20-40cm。花序は短毛があり、4-5月に
             8-15花をつける。唇弁は萼片と同長、帯紅色または
             白色で、扇形。
                      (出典;環境省・絶滅危惧種情報)


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            【準絶滅危惧(NT)・ヒメシャガ】
         【学名】Iris gracilipes
         【科名】アヤメ科
         【生態】日陰地、湿地に群生する常緑多年草。日本各地に
             自生している。花期は3月中旬~5月初旬
                      (出典;環境省・絶滅危惧種情報)



・・・初心者マークのページに最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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                 【メコノシスグランディス】
         【学名】Meconopsis grandis Prain
         【科名】ケシ科 メコノプシス属
         【生態】ヒマラヤに生育。花は紫青~濃青~紫紅色、茎は
             直立してかたく高さ1m程
                      (出典;都立植物園内・樹名ラベル) 

この花は温室内で栽培されている美しいブルーの花を持つケシの花です。都立薬用植物園では入園無料でありながらこうした貴重な花や絶滅品種の保護をして開放してくれる、アマチュアにはもったいないほどの施設です。一方で「薬用植物園を守る会」のHPによれば経営的に厳しい環境にあって経費削減・・ひいては管理業務縮小の危機もあったようです。
入園料を取っても良いのではないでしょうか・・?それで貴重な自然財産が守られるのであれば喜んで入場料を払いたいです。また、窮状をアピールして募金箱など置いたら費用の補填も少しは出来るのではないでしょうか?? 後世に残すべきものですから楽しませていただいているファンとしては一緒になって応援して行きたい思いです!!      

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